レンタカー事情とゾルバ系社会 [ギリシア・サントリーニ 2019.1]

サントリーニでは、条件が許すならば、レンタカーを借りるとよいと思う。
そのほうが安上がりだし、自由だし、遊びが広がる!!


今回はサントリーニのレンタカー事情をお伝えします。
そして、レンタカー事情の特異性を好機として、
どうしても書いておかねばならぬこと、ゾルバについて考えてみる。


まずは島の公共交通機関

オフシーズンでも、バスはそれなりに走ってる。乗らなかったけど。(ズコッ)
たとえば、イアとフィラの間は1時間に1本程度。
路線は、フィラ(経済的にも地理的にも島の中心)を中心に放射線状に広がっている感じなので、どこに行くでもフィラで乗換えということになると思う。
詳しくはこちらで確認してね ☛Santorini Public Buses の時刻表

タクシーは普通に乗れました。
空港では、タクシー乗り場にタクシーがたくさん並んでいた。
一応、だまされないように値段を聞いてから乗り込んだけど…、相場を知らなかった。テヘッ。
空港からイアまで35ユーロでしたが…、たぶんそんな感じだと思います。

崖ホイホイ(ハイキング)の帰り道、フィラのちょっと手前からイアまでは25ユーロだった。
レストランの人にタクシーを呼んでもらい、値段は決まってた。



レンタカー

手続き

でもでも、運転が大丈夫ならば、レンタカーがやっぱりすごく便利で安上がりだと思う。
空港にたっくさん、様々な会社のレンタカーがびっちり並んでいたので、借りるのも返すのも簡単なはず(ただし、大きな会社は空港の出入り口そば、小さな会社はちょっと遠め)。
空港でレンタルして、島内ではずっとレンタカーをキープしておくのがベストに違いない。

しかし、わたしたちは皆何年もペーパーだったので、島で運転できるのかが心配だった。
だから、とりあえず、まずはタクシーで宿(B&B)へ向かった。
その後、島の雰囲気を見てから、一人が、果敢にも運転をかって出てくれた🙋

B&Bのホストにお願いしたら、(ローカルの無名な)レンタカー屋さんが集落の駐車場までマーチをデリバリーしてくれ、その場で手続き。なんて簡単。
1日あたり40ユーロ。
ガソリンは適当に、だいたい同じ分量あたりで返してくれればよいと。
返す際は、空港の所定の場所(駐車場というか、空き地というか…)に置いて行ってくれと。なんてアバウト😲

田舎力

このアバウトな感じが、島のいいところだね~。
もともとの島民の気質もあるのでしょうが、
社会の規模が小さいので、無駄にコストをかけなくても、ある程度の秩序を維持できるってことだと思われる。
がちがちのシステム(明文化されたルールやそれを運営する組織体制など)ではなく、人間関係(相互扶助や相互監視など)で臨機応変に社会を運営できるところが、良くも悪くも田舎の良いところ。アーバニズムの反対ね。

サントリーニほどの観光地が、こんなに田舎力が高いのは驚きでした(後述するように、ゾルバ系の社会ってこと)。

ガソリンはほどほどに

田舎力といえば、島のサービス業では良い思いしかしてないが、
ガソリンスタンドのおっちゃんも親切だったああ。

日本の感覚でとりあえず満タンにしようと思っていたら、
「いつ帰るんだ?満タンは多すぎるからやめとけ」と忠告してくれた。
ええ~、シーズンオフで客も少ないでしょうに、
あほなジャパニー観光客から儲けてやろうウッシッシーといったよこしまな思いは一切なし!
結局、35ユーロ分、20リットル(ガロン?)を入れて、
二日間島内をくまなく走り回ったけど、入れた分を使いきれなかった。
島は思ったよりも小さかった。おっちゃん、ありがとう。

島の運転

島での運転は、運転に慣れた人ならおおよそ問題ないと思う。
ただし、まったく簡単、へいきのへーでもない。

島の中心地であるフィラは交通量が多く駐車スポットの椅子取り大合戦である。
オフシーズンでもそうなんだから、オンシーズンの状況は想像を絶する。
しかもフィラの街は崖にあるので、道が狭かったリ、ややこしかったり、行き止まったり、一通も多い。駐車スポットを探してヘタに動き回ると大変なことになる=。
街の中央部には入り込まずに、周辺のパーキングに停めて、徒歩で街へ入るのが吉。

あと、島内は峠道が多い。ガードレールが無かったり、道幅の狭かったりする崖道路もある。運転テク以前に、高所恐怖症の人はダメと思う。私は嫌だ!
下の写真は崖の上の駐車場、これも怖かった。
「いや~、やめて~。もうバックしないで~~。他に観光客はいないから真ん中で大丈夫~~」と大騒ぎ。

あと、荒ぶる天候に対して道路整備が追い付いていないみたい。
幹線道路でも、崖崩れで道路に岩が転がっていたり、
最近整備された立派な新道でも、砂がざーっと流れ込んでいたり、じつに大きな水たまりがあったりする。
安心せずに、障害があってあたりまえと思ってゆっくり走るべし。

結局、レンタカーを勧めているのかいないのか微妙だけど、
一般的な運転技術と高い度胸が備わっているならば、サントリーニではレンタカーすべし!

運転するかたは、国際運転免許証の取得を忘れずに(☛国際運転免許証はすごい翻訳書類



ゾルバを探せ!

レンタカーのゆるいルールに反映されているように、島には、
がちがちのシステムではなく、人間関係(相互扶助と相互監視)によって一定程度の秩序を形成する、ゆる~い空気が流れています。
そのような社会の担い手を、わたしは村上春樹にならって「ゾルバ」とよんでいました。

村上春樹は『遠い太鼓』のなかで、都会に住むアーバナイズされたギリシア人と差別化し、島に住むローカルなギリシア人を「ゾルバ系ギリシア人」とよんでいました。
ちなみに、ゾルバという用語は、『その男ゾルバ』という映画からの援用。


村上春樹の切り分けをどこまで踏襲できているのか疑わしいのですが…、
明るくて、素朴で、ゆるくて、親切なサントリーニのゾルバ、トップ3をご紹介したい。
もちろん、わたしの独断と偏見です!

1位
栄えある第一位は、イアにあるレストラン「Lotza」のおかみさん。
このレストランには2回いったけど、(たぶん)家族経営でとってもほのぼのしてる。みなさん、飾らずに、でも洒落ていて、静かに、ゆったりと店を運営されている。
最後の夜、気が付けば閉店時間をかなり過ぎて店を出たのだけど、何ら追い返す様子もなかった。(オフシーズンでいつもガラガラなので、時間がわからない…)
さらに、店を出る際にお水を売ってくれないかと所望したところ、
「売るお水は無いけど、これを持っていきなさい。もう水を買うところはないから」と1リットルのミネラルウォーターをわけてくれた。優しい😭

2位
イアとは逆側の島の端、アクロティリ遺跡のそばにある超素敵レストラン「The Dolphins」のお兄さん。
とくに接触はないのだけど、寡黙で誠実そうな人だった。
厨房にいた(たぶん)お母さんとおばさんも同じ空気感だった。穏やかな暮らしなんだろうな~。

3位

島の中央あたりにあるレストラン「Kallisti」のお姉さん(左)。
まあとにかく明るくて陽気なかた。赤ワインを飲みながらゆるーくサーブしてくれた。
私達が店を出るとき、声の大きな赤ら顔のおじさんが入ってきて、これまた楽しそうにヤーヤー語らっていた。ゾルバ仲間だ。

ついでに、同じ区画にある雑貨屋のお嬢さん(右)が、同じような顔立ちで、これまたほがらかそう。親族かな~。
ちょっとはにかんで「ニハオー」と挨拶してくれた。ブッブー、不正解。
そう、サントリーニでは韓国人と中国人の観光客はそこそこ見かけたけど、日本人はきわめて稀だった。お目にかかったのは1~2組だけ。景気の差を見せつけられたぜい…😑


ゾルバに話を戻すと、トップ3は全部レストランのかたでしたね~。
だって、現地のかたとの触れ合いってそれくらいしかないし…。
レストランの店主が客にナイスにふるまうのはあたり前っちゃあたりまえだけど、
島にはビシビシッ、バリバリッとした普通に都会的な接客サービスだってあったんだよ。
それとは違う空気感の、明るくて、素朴で、ゆるくて、親切な人たちなんですよう!ほんとうに!

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