生まれて初めて裁判を傍聴しました。
東京地方裁判所で刑事裁判を3つ。
ドラマなどで見た通りの光景。不謹慎ですが、たいへん興味深かった。
裁判は、その時間帯にびっしりやっているのではなく、
裁判Aは 10:00~11:00 〇〇〇法定で。
裁判Bは 10:00~12:00 〇〇〇法定で。
というように、いろいろなお部屋で色々な裁判が実施されている。
裁判は基本的に誰でも傍聴できる。
裁判所に入館する際に荷物検査があるので、危険物を持ち込みたい人は入館できないけど…。
米国LAの裁判所は、このセキュリティが大変厳しかったので、今回も構えて挑んだのだけど、
東京の裁判所は意外とゆるやかだった。止められている人はいなかったし、大きなリュックやキャリーもとくにおとがめなしみたい。
裁判の予定は基本的に公開されていないので、
当日、裁判所に出向き開廷表を見てから、どの裁判を傍聴しようか決めることになる。
刑事裁判には ①新件、②審理、③判決 の3つの種類があり、
テレビドラマで例えると、①新件が初回、③判決が最終回、②審理が途中の回全部といったところ。
最初は①新件がおすすめと言われている。そりゃあそうだ、ドラマも初回から見ないと事情がつかめないもんね。
開廷表のコンピューターでは、刑事か民事か、時間帯、新・審・判などの別で検索できるので便利。
関心のある裁判について、時間帯と法廷番号をチェックして、いざ法廷へ。
このとき、お目当ての裁判が必ず傍聴できるとは限らないので、複数の選択肢をメモしておくこと。
そう、メモとペンは必須。裁判所の敷地内は撮影が一切禁止なので、メモ代わりにモニターを撮影するとかはできません。
A案件は418号法廷、B案件は828号室、C案件は……みたいな。
部屋は、当然ながら、大きさがバラバラで、よって傍聴席の数も異なる。
私が見たのはどれも、傍聴席が18人くらいだったかな…
傍聴席が空いていれば勝手に座ってよし。
満席の場合は入ることができないので、別の裁判を見に行くか、待合室で誰かが出てくるのを待つ。
こんな感じなので、開廷中の途中入退は比較的自由。静かに、邪魔にならないように、ソローっと出入りしてよし。
ドレスコードも特に無し。
私が行った日は、カジュアルなデニム姿の学生がたくさんいたけど、場違いという感じはまったく無かった。
裁判は、テレビで見るとおりの形で遂行されていた。
裁判官と書記官が中央にいて、
検察官と弁護人が相対している。
被告人は、厳重に縛られ、犬のように紐につながれた状態で刑務官が連れてきた。
被告は法廷に入ると拘束が解かれ、二人の刑務官に挟まれるようにして弁護人の前のベンチに着席。
例えばそこで、被告が急に暴れ出して、傍聴席側に襲い掛かってくることがないわけじゃないと思う。被告人=凶暴との偏見で申し訳ないが、少し怖い気がした。
法廷では主張と立証、そして検証が繰り返される。
進め方の大枠は研究の手続きと同じだね。
それら審理の際、裁判官・検察官・弁護人は起訴状などの資料を持っているから良いのだけど、
傍聴人は耳だけが頼り。
一つ目に傍聴した裁判では、中堅女性の検察官が小声の早回しで起訴状を読み上げるものだから、内容がさっぱりわからなかった。
せっかく新件に行ったのに、チンプンカンプ~ン。
二つ目の裁判も新件。午後一の法廷、開始時刻の10分ほど前から最前列を陣取り、メモ帳を用意して、準備万端で挑んだ。
罪状は覚せい剤取締法違反。被告人は、スキンヘッドでいかつい男性。生々しい。
後に裁判官がまとめてくれて分かったことに、弁護側の証人のアポが間に合わなかったので、弁護側の主張は次の機会にしてほしいという内容だったらしい。
じゃあそうしましょうということで、三者のスケジュールを再調整し、審理終了。解散。え~~~、そんなのもあり~~?
最前列に準備万端で挑み、内容もしっかり頭に入れた割には10分で終わり。
仕方がないので、別の法廷へ移ることに。
あとは、審理案件しかないなあ。一つ目は満席で入れず。
二つ目が、しかしこれが、審理(=途中から案件)ではあったが傍聴し甲斐があった。
罪状は詐欺。被告は若いお兄ちゃん。ただの食い逃げなんだけど、駄々をこねすぎて逮捕されてしまったようだ。
わたしが入室したときは、その逮捕した警官が証人として証言をしていたのだけど、
反対に弁護士から詰め寄られている感じだった。「そこ逮捕までする必要あった?やりすぎじゃね?」
警官が弁明する。示談に持ち込もうと提案したが被告はまったく応じず。むしろ逆ギレされ、「逮捕するならしろよ~」くらいの感じで暴れるので、現行犯逮捕せざるを得なかったと。
そっかー、令状逮捕ならつべこべ言われることはないのかもしれないが、現行犯逮捕の場合は、それに相当する案件であるのか否かについて、個々人の警官が責任を持ってとっさに判断しなくちゃいけないのかあ~と、警察業の大変さに思いをはせた。
実際に見てみると、ドラマと同じ感じだった~(ズコッ)
とはいえ、検察官も弁護人も、被告も証人も、事件内容もすべてリアル。
被告の人生や、人間関係や、動機に思いをはせたり、
検察官と弁護人、そして裁判官の関係性や仕事ぶりを観察したり、
すごく勉強になった。
検察官はほんとに風呂敷を持ち歩いていた。
自分だって、明日にでも被告人としてそこに立たされることが、無いとは限らない。
過失運転とか、業務上過失とか、暴行とか……
身を引き締めたし、いざという時のイメトレもできた。有意義な社会科見学だった!
東京地方裁判所で刑事裁判を3つ。
ドラマなどで見た通りの光景。不謹慎ですが、たいへん興味深かった。
手続き
裁判は平日の 10:00~12:00 / 13:00-16:00 の間に行われている。裁判は、その時間帯にびっしりやっているのではなく、
裁判Aは 10:00~11:00 〇〇〇法定で。
裁判Bは 10:00~12:00 〇〇〇法定で。
というように、いろいろなお部屋で色々な裁判が実施されている。
裁判は基本的に誰でも傍聴できる。
裁判所に入館する際に荷物検査があるので、危険物を持ち込みたい人は入館できないけど…。
米国LAの裁判所は、このセキュリティが大変厳しかったので、今回も構えて挑んだのだけど、
東京の裁判所は意外とゆるやかだった。止められている人はいなかったし、大きなリュックやキャリーもとくにおとがめなしみたい。
裁判の予定は基本的に公開されていないので、
当日、裁判所に出向き開廷表を見てから、どの裁判を傍聴しようか決めることになる。
刑事裁判には ①新件、②審理、③判決 の3つの種類があり、
テレビドラマで例えると、①新件が初回、③判決が最終回、②審理が途中の回全部といったところ。
最初は①新件がおすすめと言われている。そりゃあそうだ、ドラマも初回から見ないと事情がつかめないもんね。
開廷表のコンピューターでは、刑事か民事か、時間帯、新・審・判などの別で検索できるので便利。
関心のある裁判について、時間帯と法廷番号をチェックして、いざ法廷へ。
このとき、お目当ての裁判が必ず傍聴できるとは限らないので、複数の選択肢をメモしておくこと。
そう、メモとペンは必須。裁判所の敷地内は撮影が一切禁止なので、メモ代わりにモニターを撮影するとかはできません。
傍聴のイロハ
それぞれの裁判は、広い裁判所庁舎のなかででバラバラにばらけて行われていた。A案件は418号法廷、B案件は828号室、C案件は……みたいな。
部屋は、当然ながら、大きさがバラバラで、よって傍聴席の数も異なる。
私が見たのはどれも、傍聴席が18人くらいだったかな…
傍聴席が空いていれば勝手に座ってよし。
満席の場合は入ることができないので、別の裁判を見に行くか、待合室で誰かが出てくるのを待つ。
こんな感じなので、開廷中の途中入退は比較的自由。静かに、邪魔にならないように、ソローっと出入りしてよし。
ドレスコードも特に無し。
私が行った日は、カジュアルなデニム姿の学生がたくさんいたけど、場違いという感じはまったく無かった。
刑事裁判の傍聴
やっと傍聴内容の話。裁判は、テレビで見るとおりの形で遂行されていた。
![]() |
裁判所のホームページより |
検察官と弁護人が相対している。
被告人は、厳重に縛られ、犬のように紐につながれた状態で刑務官が連れてきた。
被告は法廷に入ると拘束が解かれ、二人の刑務官に挟まれるようにして弁護人の前のベンチに着席。
例えばそこで、被告が急に暴れ出して、傍聴席側に襲い掛かってくることがないわけじゃないと思う。被告人=凶暴との偏見で申し訳ないが、少し怖い気がした。
法廷では主張と立証、そして検証が繰り返される。
進め方の大枠は研究の手続きと同じだね。
それら審理の際、裁判官・検察官・弁護人は起訴状などの資料を持っているから良いのだけど、
傍聴人は耳だけが頼り。
一つ目に傍聴した裁判では、中堅女性の検察官が小声の早回しで起訴状を読み上げるものだから、内容がさっぱりわからなかった。
せっかく新件に行ったのに、チンプンカンプ~ン。
二つ目の裁判も新件。午後一の法廷、開始時刻の10分ほど前から最前列を陣取り、メモ帳を用意して、準備万端で挑んだ。
罪状は覚せい剤取締法違反。被告人は、スキンヘッドでいかつい男性。生々しい。
今度の検察官は若い男性、歯切れ良し。起訴内容がよ~くわかった。
よし、いいぞ。次は弁護人!と思ったら、弁護人は、弁護士ではなく、もしかすると素人の方だろうか?もじもじ、うじうじと、小声でとぎれとぎれに話している。後に裁判官がまとめてくれて分かったことに、弁護側の証人のアポが間に合わなかったので、弁護側の主張は次の機会にしてほしいという内容だったらしい。
じゃあそうしましょうということで、三者のスケジュールを再調整し、審理終了。解散。え~~~、そんなのもあり~~?
最前列に準備万端で挑み、内容もしっかり頭に入れた割には10分で終わり。
仕方がないので、別の法廷へ移ることに。
あとは、審理案件しかないなあ。一つ目は満席で入れず。
二つ目が、しかしこれが、審理(=途中から案件)ではあったが傍聴し甲斐があった。
罪状は詐欺。被告は若いお兄ちゃん。ただの食い逃げなんだけど、駄々をこねすぎて逮捕されてしまったようだ。
わたしが入室したときは、その逮捕した警官が証人として証言をしていたのだけど、
反対に弁護士から詰め寄られている感じだった。「そこ逮捕までする必要あった?やりすぎじゃね?」
警官が弁明する。示談に持ち込もうと提案したが被告はまったく応じず。むしろ逆ギレされ、「逮捕するならしろよ~」くらいの感じで暴れるので、現行犯逮捕せざるを得なかったと。
そっかー、令状逮捕ならつべこべ言われることはないのかもしれないが、現行犯逮捕の場合は、それに相当する案件であるのか否かについて、個々人の警官が責任を持ってとっさに判断しなくちゃいけないのかあ~と、警察業の大変さに思いをはせた。
まとめ
ドラマでしか見たことのなかった刑事裁判。実際に見てみると、ドラマと同じ感じだった~(ズコッ)
とはいえ、検察官も弁護人も、被告も証人も、事件内容もすべてリアル。
被告の人生や、人間関係や、動機に思いをはせたり、
検察官と弁護人、そして裁判官の関係性や仕事ぶりを観察したり、
すごく勉強になった。
検察官はほんとに風呂敷を持ち歩いていた。
自分だって、明日にでも被告人としてそこに立たされることが、無いとは限らない。
過失運転とか、業務上過失とか、暴行とか……
身を引き締めたし、いざという時のイメトレもできた。有意義な社会科見学だった!