美々川のカヌー下り

「美々川」はその名の通り、美しい美しい川。

三面コンクリート張りや直線化工事、はたまた生活排水や工業排水の流入による下水化といった、通常の河川がたどってきた近代化を免れ、自然本来の姿かたちをしている。

しかも!湿原の中にある水の流れなので幻想的。(釧路川のミニチュア版)
独特の水生植物や野鳥たちが生息し、手つかずの自然好きにはたまらない光景が繰り広げられている。
これが山奥ではなく、街中の国道沿いにあるって…、車道から見えるって…、すごくなーい??(北海道の野生ポテンシャル恐るべし)


この魅惑的な川を車道から垣間見るたびに、川の近くに行ってみたい、船で下ってみたいと、常々思っていた。
そしてこの度、念願がかない、美々川カヌー下りをした===!!


ちょっと地理解説、ブラナマケ!

美しい美しい「美々川」の源流は、なんと日本の基幹空港の一つである新千歳空港のあたりなのだ。
つまり新千歳空港のある場所は、めっぽう平らに見えるけど、ちょうど分水嶺(=峰)にあたる。どういうこと??
地図中の点線がたぶん分水嶺☟。市の境界かもしれないが、だいたい同じと思われる。

国土地理院の地図に筆者加筆

しつこく繰り返すが、
千歳空港の敷地内の北東側に降った雨は石狩川に合流し、日本海(北側)に流れこむ。
千歳空港の敷地内の南西側に降った雨は美々川となり、やがて太平洋(南側)に流れこむ。

この分水嶺を隔てることにより、苫小牧市と千歳市は隣接する自治体であるにもかかわらず、めっぽう天気が異なる。たぶん気温が5度くらい、積雪量が1mくらい違う。数字はかなりアバウトだが(汗)。

ここでは、日本海側の話は棚に上げ、太平洋側、すなわち美々川に話を戻そう。

美々川は、上述したように、千歳空港周辺の湧水群を水源とし、ラムサール条約の登録湿地であるウトナイ湖へ流れ込む。流路延長は15km弱らしい。(ウトナイ湖から先は勇払川に合流する)
美々川の周辺は、これまた野性的で魅惑的な「勇払原野」という名称の泥炭湿原が広がっている。

泥炭湿地とは、
植物の死骸が分解されずに、そのまま折り重なっている土地のこと。

つまり、
植物の死骸が分解されて土に戻り、固い陸地の一部になるのではなく、
植物の死骸がそのまま堆積してスポンジ状の層をつくっている。
スポンジ状なので、雨が降ったらフニョフニョのびちょびちょになる。

フニョフニョのびちょびちょなので、一瞬陸地に見えていても、入るな危険。ぬかる。
こんなぬかるみの地に、しかし鹿の親子がひょいひょいと歩いているのをしばしば見かける。スポンジに捕らわれずに、しかし湿原の恵みに与る野生の逞しさに心打たれる光景だ。

このように、美々川一帯はそもそもフニョフニョびちょびちょのエリアである。
その中でも、おそらくより低い場所に水が集まり川となって、うねうねと蛇行しながら、魅惑的な姿の美々川となって私を魅了するのだ💖

そんな素敵川だが、やはり開発の影響は免れず、
空港、ゴルフ場、国道、鉄道、農地、少々宅地、といった周辺地域の開発により、水の循環が滞り、流水量が減少したり、よって植生や魚類などの生態系が変化したりしているらしい。たいへん残念なことである。

ということで北海道は、美々川とウトナイ湖を再生する事業を2002年から実施している(北海道胆振総合振興局)。よろしくお願いしまーす!



カヌー下り

前置きが長くなったが、カヌー下りに話を戻そう。
この度わたしがカヌーで下ったのは、この地図☟でいうと、たぶん黄色矢印で示した区間。中流域から下流域にかけて。
北海道胆振総合振興局「美々川自然再生事業」掲載の地図に筆者加筆

始点は間違いない。第二美々橋に集合、そこからカヌーに乗り込む。

第二美々橋から植苗橋までは、川幅が広く穏やか。ここで終了するのがハーフコース。

むしろ、ここから先がメインイベントのジャングルエリアである!

幻想的じゃーん。
木が横に生えてる。(理由は不明)

川幅が狭くなり、両脇から木の枝が迫りくるジャングル。
次は長めの動画をもう一つ。

ここでも、大雨の影響が残念。
本来は、水質はあくまでも透明、かつ水位が低いので、
水の中でそよそよとなびく水生植物が神秘的な雰囲気をさらに演出してくれるのだが…。今回はただの濁った川だった……。まるでアマゾン川??

いずれにしても、たいへん快なるカヌー下り体験だった!
距離約4km。9:10に出発し、10:30に到着した。
カヌーは、自分たちで漕いでもよいし、スタッフに漕いでもらってもよいという。迷わず後者を選択。
スタッフは2名、ネパール人が札幌の本部から派遣されていた。
1人はカヌーで、もう一人は車で、カヌーコースを移動する。
カヌー担当の人は、本国ネパールではラフティングをやってたという。美々川でも6年カヌー下りをやっていると言っていた。(おやじ冗談が多く、どれが本当の話かは不明…)
確かに腕は良いと思われ、おやじギャグを聞き流しつつ、安心して身を委ねることができた。

ウトナイ湖

夢の美々川カヌー下りが終了。
カヌー下りが終わったポイントから、集合ポイントの第二美々橋まで車で送ってもらう。

集合ポイントのすぐそばに、「ログハウスびび」という焼き肉レストランがある。
そこのジンギスカンは絶品だった!
なぜか、写真が一枚もない😢

食後に改めて、今度は自分の車でウトナイ湖に向かう。
2年前は、展望塔に登ると、ウニ湖のような絶景が繰り広げられていたのだが、

今回はただの沼だった…。太陽の加減とか、いろいろあるのね😅

白鳥が3羽いて、そのうちの1羽が、出血大サービスで観光客の相手をしていた。
ラムサール条約で大切に守られている白鳥様なのに、サービス精神旺盛。ありがたい。

もう一つ言っておきたい。
手つかずの大自然とは関係ないが…、ウトナイ湖の道の駅にクリオネが飼われていた。
1cmもない極小の生き物が、手をパタパタとしている姿が相当可愛く、ずっと見ていたかった。

以上、いろいろ脱線したが、美々川のカヌー下りは楽しかったの巻。
やりたいことリストをまた一つ達成!