北海道の大草原、おばあちゃんの小屋生活。非文明の暮らしをわたしも体験してみた。

後期高齢者の母が、
ハイジのように、そう野生の少女のように、一人で大草原で活き活きと暮らしている。

暮しているといっても、夏の間だけ。
東京が暑い夏の間、北海道で野生の避暑生活。

「ガーデニング」というにはあまりにもバカでかい土地を相手に猛烈に畑仕事をしている。
そのモティベーションがどこからやって来るのか、わたしにはわからないが、
その、文明からかけ離れた草原生活を、わたしも少しだけ体験してみた。



広い

何十年か前に分譲された土地。
この地区の良いところは、道路に草が生えていること。可愛くてすてき。
さぞかし手入れが大変だろうと思う。

一つ一つの区画が広すぎて、
どこからどこまでが母の土地なのかわからないし、ワンショットでは映しきれないが、
とにかくいろいろなものが植えられている。

花は何種類もあるようだ。まったくアウェイなので、花の紹介はパス。
野菜は、玉ねぎ、キャベツ、なす、ジャガイモ…、普通のお野菜は一通り畑で収穫できる。
私の好きなシシトウもあった。ジンギスカンには辛ーいシシトウがマスト!!




水道がない!

母の小屋は、「家」ではない。いや「小屋」とも言い難い。
かろうじて電気は通っているけど、水道はない。

飲み水は、近所の湧水を汲んでくる。
この水汲みポイント、水汲み用の簡易設備が置かれているので、水質は問題ないんでしょう。
そして、この辺りはとても水がきれいなので、下手なミネラルウォーターよりも美味しい。
滞在中は、出がけに、この水汲みポイントに寄って水を汲んで持ち歩いた。「キリッと冷えた湧水」ゲット!

小屋生活に話を戻そう。
飲み水以外の、手洗いや食器洗いには雨水をつかう。
つまり、手を洗うにしても、石鹸をアワアワにして洗う、ということが頻繁にはできない。
できないというか、面倒なのでしたくない。
蛇口をひねれば大量の水が出る都会の生活がいかに恵まれているのか、ひしひしと感じるう~~~。

トイレは外。ひええええ!
しかも、手動水洗。形状的には普通の洋式トイレが設置されているのだけど、使用後に、桶の水をぶっかけて手動で流す。その先に、汚物がどこに行って、どう処理されているのか、それは考えないことにした。
夜中に、一人で外のトイレに行くなんて、わたし絶対無理なので、
午後8時を過ぎたら水分の摂取を控え、
10時には皆でトイレ大会をして、
それ以降は朝が来るまで我慢。

ああ、またしても、都会の生活が何と恵まれていることか、ひしひしと痛感する。

夏にストーブ!

これまでに、野菜と水が自給自足(無料)であることがわかった。ついでに、暖房も無料。
薪ストーブの薪は、知り合いからいくらでも分けてもらえるらしい。廃材とか。

体験してみるまで信じられなかったけど、本当に、夏にストーブなんだよ!
この辺りでは1日の間に、東京でいえば春先から初夏くらいまでの温度変化がある。
昼間はやってられないくらい暑くなるのだけど、
夜は寒い。特に朝方は冷えるので、気が付けば羽毛布団をすっぽり肩までかけて寝ている。

おそるべし大草原の気温差。ヒートアイランド現象とは無縁なのだ。

気持ち良し

なんてったって誰もいないから、
広い土地の好きなところにテーブルを出して、アウトドアな食事が簡単にできる。

午前8時を過ぎると、日差しが強く暑くなりすぎるので、
それより前に朝食を済ませるのがベスト。

さわやかな空気、一面の緑、空には大きな青い空、
アウトドア朝食の瞬間だけは、おばあちゃんの大草原最高!!

姉の森

なんと姉も数十年前に、同じ分譲地を購入した。
しかし、姉はな~~~んにもしてないので、いわゆる森。

草原もいいけど、森もイイネ。
これもまた、土地の規模がよくわからないが、本当にちょっとした森だった。
熊が出たら困るので、そうそうに退散。





お風呂

もちろん母の小屋にはお風呂がないので、近くの温泉に行きます。
その温泉は、蓮畑がウリ。

花の開いてるタイミングに行けなかったのが残念だけど、広い蓮畑。
いつか、満開の蓮たちを見てみたい!

タイミングがあえば、赤や白の睡蓮もきれいに咲いてるらしい。
わたしが見られたのは、赤がちょっとだけ。

牛と馬と夕日

温泉までの道程は牧場。
牛と馬と、きれいな夕日をみながら通いった。


まとめ

母の、大草原の、非文明的な生活を体験して、
んんんん~~~~~、ごくたまーーーに、1泊なら、再挑戦ありかな。

東京の夏よりすごしやすいというのは、確かにそうかもしれない。
自然の空気も水も美味しい。景色もきれい。

しか~し、水道の無い生活は厳しい。やっぱし、どうしても不衛生。
外トイレもつらい。虫が怖~い!

そんな不便な大草原の暮らしですが、
母にとっては、かけがえのない宝物であり、生き甲斐ならしい。人それぞれだわ=。
なんとか草原生活を続けられるように、家族の反対をおしきって、車の免許更新を画策中。悩ましいねえ~。

さて、わたしが後期高齢者になったときには、どんな生き甲斐を追い求めているのだろう?
デスク派のわたしは、アウトドア派の母ほど元気でいられないし…、
「高齢者と健康と生き甲斐」について、ちょっと考えちゃったよの巻き。