鉈切神社から見物海岸へ。プチ・ジオ・ツアー

元旦にジオツアー。
館山にて、縄文時代の波打ち際から、現在の波打ち際まで散歩しました。



鉈切神社:縄文時代の波打ち際

鉈切神社は、標高25mの小高い場所にある神社ですが、
縄文時代にはここが波打ち際でした。

ということをブラタモリで見て、元旦に訪問してみました。
一般人は洞窟の中を見られないという説明だったので、
もちろん洞窟を見ることは期待せず、
元旦に激混みの主要神社で揉まれるよりも、
ひっそりと小さなローカル神社を参りましょうという趣旨だったのに、

なんと、親切な地元のかたのおかげで、
(そしてもしかすると建御雷大神のご加護なのか👉鹿島神宮でパワーチャージ!
洞窟の中を見せていただきました。

この社殿の奥が洞窟。右側にある扉から洞窟内部に入ります。

これが本殿。

さらに奥に進みます。一人では無理。怖い。

一番奥は少し広くなっていて、そこにまた神様(ラスボス?)が祀られていました。

何てありがたいことでしょう。
期せずしてこんな体験ができるとは。わたし、今年の運を元旦に使い果たしたの?
それとも幸先が良いということ??

本当なら、社殿の扉の格子から、奥にある洞窟を覗き見ることしかできなかったはずなのに。



付加体とモコモコ地形

恒例の、ブラタモリからのうけうりを簡単にまとめておきます。

南房総(右下地図の黄緑の部分)は全体的にモコモコ地形です。
ブラタモリ「館山~館山リゾート・館山はどうできた?」21.5.22放送より。以下同様

どうしてかというと、南房総は付加体でできているからです。

付加体というのは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に、
海洋プレートの表面が削がれて、大陸プレートに乗り上げたものです。

地殻変動が起きるたびに、モコッ、モコッと、長い歴史をかけて積み重ねられた海洋プレートの垢が、南房総を形成したというわけですね。

隆起(付加体形成)の速度は6000年で25m。
日本でもトップクラスの隆起度ならしい。
上の図の右端が鉈切海岸。つまり縄文時代の波打ち際。
左端が見物海岸。現在の波打ち際というわけです。

その間には、登っては平、登っては平の、階段状の地形が続いています。

鉈切神社の階段状地形

鉈切神社の入り口、国道と同じ高さに地元の集会所があります。
つまり、鉈切神社は浜田地区の氏神様なのですね。おそらく。
それなのに、ヨソから来た観光客を(お金を落とすわけでもないのに)快く受け入れてくれるなんて、本当にありがたい。

そして、先ほどの洞窟にたどり着く間にも、たくさんのモコとモコ、
つまり階段状の隆起の痕跡を見ることができます。
しばらく登ると平らな道、また登って平が繰り返されます。



見物海岸

次は、鉈切神社から見物海岸に向かって下ります。
富士山を眺めつつ、坂を下っていく。
やっぱし、坂と平が繰り返されている雰囲気。そう言われてみれば…。

10分も歩かずに、海岸に到着。この道は平部分。

うひょー。富士山が絶景。

向こうに見える岩が、ブラタモリで紹介されていた岩。

縄文時代のそれから見たらかなり最近の、隆起の痕跡です。

江戸時代のモコと、大正時代のモコ。

次の大地震が来たら、さらに新しいもモコが誕生するのでしょう。
大地震はとても困るのだけど…、地球規模で見ればいつかやってくるんだね。

スニーカーで砂浜を歩くのは大変なので、
二つの段は遠くから眺めるだけにとどめおきました。

まとめ

元旦に、6000年単位の地球の隆起を体験した。
しかも富士山を見ながら。良い正月。
極めつけは、思いがけない洞窟体験のお年玉。
氏子の皆様、お邪魔しました。ありがとうございました!