東海道 1:品川宿でブラナマケ

早朝に日本橋を出立して、日の出るころに品川!とはいかないのが現代人の街道歩き。

10:30に日本橋を出て、ランチやら街道沿いの歴史探索やら込みで、14:30に品川宿の入り口にたどり着いた。7.7km を 4時間。

よ~し、いよいよ品川宿の探索だー!

品川宿:家数1,561軒、本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠93軒


浮世絵を読む:品川 日之出

写生ポイント探し

「品川 日の出」探しは超難問。たぶん55枚(53+2)の中で一番の難関だと思う。
八ツ山橋のどこかだとは思うのですが…
浮世絵に描かれている八ツ山は切り崩され、海は埋め立てられている。
6本のJR路線と国道15号の論理に優先され、旧街道は途切れている。
ランドマークも道もなく、とっかかりが無くなっちゃってるんだよ~~~。
「大江戸今昔めぐり」アプリを頼るしかない。
品川宿の入り口で、山が右側にある場所といえば、線路(=八ツ山橋の上)なわけよ。
いまひとつスッキリとはしないが…、「品川 日の出」の写生ポイントは八ツ山橋の上、旧東海道を見る位置と推定しました!

何が描かれているかな?

日本橋のところでも触れましたが(日本橋でブラナマケ)、
「品川 日の出」は「日本橋 朝之景」とセットになっています。
大名行列が、早朝(午前4時頃らしい)に日本橋を出立し、日の出る頃に品川についた、というストーリ。

「品川 日の出」では大名行列の先頭が描かれていたのに対して、
「日本橋 朝之景」では大名行列の最後尾が、品川宿の入り口を記す標柱を通過しきった場面が描かれています。
山にへばりついて大名行列に道を譲っている人たちは、一般の旅人という説と宿場の役人という説があり。
客の呼び込みを中断している茶屋の女性は「くつろいでいる」という説と「つまらなそう」という説があり。
浮世絵の解釈には定説があるのかと思えば、意外といろいろな読み方があるんだな~。
要は、わたしも好き買ってに解釈していいんだね~。

絵を眺めていると妄想が広がって楽しいのですが、
繰り返しになりますが、ここに描かれた風景の痕跡を、現代の八ツ山橋に見出して江戸を感じるのは極めて困難なのだ😵

品川宿概要

品川宿は目黒川をはさんで北品川宿と南品川宿に分かれている。
現在のJR駅では、「北品川駅」がなぜ「品川駅」の南側にあるのだろうと、不思議に思ったが、「北品川駅」の名称は「北品川宿」から来たんだね、たぶん。勝手に納得。

品川宿には史跡はそれなりにあるのですが、ここに〇〇がありました的な、碑が多い印象だな。
現在の旧東海道は普通に商店街的な趣で、浮世絵ポイントと同様、そこに江戸を感じるためには、勉強や想像力がたくさん必要💦

海の名残

高輪あたりからずっと気になっていたことに、
地形的に、海の名残が比較的容易に見つけられるのが面白かった。

写真で表現するのが難しいのですが…、
東海道から海側に延びる路地は、いかにもビーチに行く感じの高低差がある。

本当は、路地を下った先には線路があり、その向こうには新しい埋め立ての街が存在しているのだけど、
路地の雰囲気は明らかに、ビーチに降りていくウキウキ感を残しているのだ。

台場を感じろ!

海つながりでいうと、
机上で散歩プランを練っていた際に、台場の形がかなりそっくり残っていることに強く興味をそそられた。しかも台場小学校とかあるし。これは歩かねばならない。
江戸の地図だけを頼りに、難なく台場までたどり着けた。地形は変わっていない!

まずは、洲崎の端っこ(語彙重複?!)、弁才天先伏院に到着!
広重「名所江戸百景 品川すすき」国会図書館

ちょっとオドロオドロシイ鄙びた神社でしたが…(失礼!)、
浮世絵に見る江戸時代の弁才天さまはとっても素敵~~💗

次に、台場の入り口にたどり着くと、台場保育園があった。

台場の五角形は、徒歩でもある程度確認できたけど、すべては無理だった。途中で行きどまりになりました。
狭い路地を突き進み、いかにも生活空間をうねうねと探索させていただき、申し訳なし。


ジモティー猫さんたちとすれ違いました。このあたり外猫多し。旅情を誘う。

品川本陣

さて、メインイベントの台場探索が終わったので、あとはゆるりと宿場観光に戻る。
台場から東海道に戻ったら、本陣(跡)があった。

長谷川雪旦 江戸名所図会「品川駅」都立図書館

門はなにげに再現されているようでした。中に入ると、遊具とか置いてある普通に近所の公園で、その奥に「本陣跡」の看板が掲げられてた。立派な大木の前に。
やっぱし、想像するのって結構難しい。ここは近所の公園なのだ。

品川橋

目黒川にかかる橋が品川橋です。
上述したように、ここから北が北品川宿。ここから南が南品川宿。
橋の写真☟は、左側の白いのが海方面、右側の赤いのが山方面。


目黒川は、私の家のそばを流れる北沢川の本流です。
ずいぶん遠いところに来た感じがするけど、川でつながっていたんだなあ。しみじみ。

上の古地図☝からわかるように、目黒川は河口でぐにゃっと曲がって洲をつくっている(洲の先端が先述した弁才天)。

湾曲しているために、流れが緩やかで、港として好都合なので、このあたりを品(物資)が行き交っていたそうな。
そんでもって、目黒川の河口付近が「品川」と呼ばれたとか。へえ~~。

品川寺(ほんせんじ)

江戸六地蔵の一つがあるというので、行ってみた。
地蔵というか、仏像があった。


中に入らせていただくと、これまたややオドロオドロシイ鄙びた感じ(すみません💦)。
この鄙びた雰囲気は、このあたりの寺社仏閣の特徴だろうか…。

よもやま話

ランチと東海道のインド料理

日本橋から品川に向かって歩きながら、どこでランチしようか~とか言いながら、
日本橋、京橋、銀座を通り過ぎてしまい、新橋あたりまでくると、店がもうな~~い。
このインド料理屋さんが最後かもと思いつつ、
しかし東海道江戸トリップの初回の食事がインドってどうなの?とか迷っていたら、店の中からインド人のおじさんが出てきて「どぞー」と招き入れてくれた。


店の中はまだ客がおらず、インド人が数名でヒンディー語でぺちゃぺちゃおしゃべりしていた。江戸トリップというよりは、まるでインドトリップ。
それはそれで面白かったし、ランチも美味しかったよ~~。

そのあと、ずいぶんしばらく行ったら、超スパイシーな本格インド料理屋があった。
スパイスが歩道までふんだんに飛んできており、しばらく鼻がくしゅくしゅした。

そして品川宿に行ってもインド料理をいくつか見た。
なんだろう。東海道、意外にインド比率高し。一句。

お茶ジプシーと品川駅

高輪大木戸を見届けた後(日本橋でブラナマケ)
気が緩んだせいか疲れてきたし、そろそろトイレに行きたくなったし、
どっかでお茶したいよう~~~と言いながら、街道沿いのお茶ポイントを探した。

結局、品川駅の駅ビル(アトレ)に行って、まずはトイレをすます。
品川駅ったら、すんごい沖だわ(青い丸のところ)。古地図上ではご丁寧にカモメが飛んでるし。

アトレのカフェやレストランはガヤガヤしていて落ち着かないので、
品川プリンスまで戻る。しかし、カフェもレストランもクローズドやん!品プリ潰れるの?
しかたないのでマリオットに行こうかとも思ったが、東海道からは若干距離がある。
疲れているのに、いや疲れているからこそ、安らぎを求めてカフェジプシーにハマる。

北品川宿のカフェ

北品川宿に入ってすぐに、小さなカフェがあった。
人当たりの良い、可愛いい若夫婦(?)が丁寧に対応してくれた。


トロピカルなカップでいただいたソイラテはうまかった~~。
五臓六腑に染み渡るとはこのことだ。メキメキと元気になった。

品川宿の印象

初めての宿場歩きなので、宿場を楽しむコツがまだつかめてないきらいはあるが、
江戸の地形がそのまま残っているのを確認できたのはとても楽しかった!

北品川宿の方が若干開けているような感じがするけど、人通りは多くなかった。
南品川宿は寺社が多いせいか、鄙びた感じが強いのだけど、しかしなぜか生活者がやたら多く行き交っていた。いったいどこから来てどこに行くのだろう。

なんやかんや、10時に日本橋で待ち合わせをしてからいろいろあった。
長~い一日で、とっても楽しい充実した江戸トリップだった!
次は六郷の渡しで多摩川を渡り、川崎宿で江戸を探すぞ~~!